2023年10/31 放送

愛媛県うまれ

武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻卒業


個展
2022 「薔薇鏡」ギャラリーゴトウ(東京・銀座)
「Eusocial NFT exhibition”overwintering”」eusocial (清澄白河)
2019 “A blank of one hundred” (gallery Kurogo)
2018“Gap” (Ossam gallery・NYC )
2017「音程」 ギャラリーゴトウ(東京・銀座)
「サーフェステンション・誤読について」W+K gallery(東京・中目黒)
「海と人の夢幻」赤坂草月会館(東京・赤坂)
「愛すべき便り」gallery cafe 3(東京・高円寺)
「傷について/ 星までの距離」gallery conceal (東京・渋谷)
2016「epave /エパーヴ」gallery cafe 3(東京・高円寺)
2015 「苦しみの水 / 雨漏りの部屋 / 並行時間軸」TRANS ARTS TOKYO 2015(東京・神田)

グループ展などの活動
2022「篠田桃紅作品展・グループ展」(京都・山科伯爵邸源鳳院)
「My first art展」(東京・新宿伊勢丹)
「メタバースオークション・ゼロ by naked.inc」京都
2021 「slangs」what cafe (東京・天王洲)
2019 「kuma exhibition」 (東京・青山スパイラル)
2018 「kowaii展」(東京・銀座新井画廊)
「ギャラリーゴトウ20周年記 念展」(東京・銀座)
「谷川俊太郎の世界を描く展」 (東京・銀座)
「waiting 」(東京・代官山ヒルサイドテラ ス on the hill gallery)
「Portrait」(the MASS 東京・原宿)
「山本亜由夢・團上祐志 二人展希う食卓」gallery cafe 3 グループ展(東京・高円寺gallery 3)
「Japanese emerging artist exhibition / JART7th」(ニューヨーク・ ブルックリン WAHcenter)
『maison de F 』2017/18 AW collection (フランス・パリ cube showroom)
「_Lo_WAVEll」NOH WAVE (アメリカ・ロサンゼルス NOH/WAVE)
「_Lo_WAVEll」exhibition (アメリ カ・デンバー Abend gallery)
「骨のあるアート展」展示(東京・新宿伊勢丹本店)
2017「たんざく展」グループ展 (東京・銀座新井画廊)
「たんざく展・東京百景展」(東京・新宿伊勢丹本店)
「Wooly in Brookln」グループ 展(アメリカ・ニューヨークBrooklyn Beauty Fashon Labo)
「カレイドスコープ」gallery cafe 3 グループ展(東 京・高円寺gallery 3)
「渡邉息吹・團上祐志 二人展」(東京・江ノ島 T gallery)
「反面までの距離」桑園創・ 團上祐志 二人展(京都・清水五条 gallery main)
「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2017 」(福岡 ホテルオークラ 福岡)
「Young Creators Award 2017」選出者展 (大阪・北浜 MI gallery)
「A magic moment」グループ展(ア メリカ・ニューヨーク fashon/beauty LABO)
「Annual Group Exhibition」グループ展 (アメリカ・ニュー ヨーク j-COLLABO)
「The 27th Annual Holiday Miniatures Show 」(アメリカ・デンバー Abend gallery)
2016「 International art fair tokyo 2016」(東京・表参道ヒルズ Oスペース)
「アート・トーキュウ・キチジョウジ」(東 京・吉祥寺・東急百貨店)
「good morning cafe」 展示(東京・西早稲田good morning cafe)
長野県茅野市美術館 展示(長野・茅野市美術館)
代官山・猿楽祭「化け楽」展示(東京・代官山ヒルサイドテラスギャラリー)
Young Creators Award 2016 選出者展(大阪・北浜 MI gallery)
「PIGALLE KOYAMA BROOKLYN」
團上祐志・中瀬 萌・Changgang Lee・神谷 萌稲 四人展(東京・目黒 warehouse gallery)
「窓の上の山」パフォーマ ンス公演(東京・新宿 新宿眼科画廊)
日招八幡大神社 祭神画制作(愛媛・松山)
田中一村記念美術館 日米交流 展(鹿児島・奄美大島 田中一村美術館)
2015TRANS ARTS TOKYO 2015 パフォーマンス(東京・神田ナガシマ ビル)

2000年の光の多様性

蜜蜂や芸術家もまたこの世に存在する精霊の働きのようだ。
私が絵を描く理由のひとつに目に見えない形でこの世に存在する精霊に働きかけることにある。霊と肉の両
面からよりマクロに光を追求している中、私は自然から光の力を早い速度で受け取る蜜蝋を画材として使う
ことにしている。日本の養蜂会社から取得している。
蜜蜂の巣から作られる蜜蝋という素材は、この星の光と人間知性との歴史だ。歴史的にも蜜蝋は魂の還る場所とされ、祈りを捧げる依代とされてきた。蜜蜂は自然界と人間の間を踊り地球の作物の受粉を担う高貴な媒介者である。みえざるものの働きを体現するものとして、自分はその力をお借りしようと思っている。ドイツでは霊魂の集まる場所を蜂の道とも呼ぶ。エジプトから中世キリスト教圏から古典中国、ドイツ圏に画法としては保存されてきた。地球全土の歴史に存在する蜜蜂が作る蜜蝋画は現代で地球の絵画と言える。
蜜蜂は太陽光線に反応して飛び、光をキュレーションする。高エネルギーをそのままに画面へと調整する。気を調えることは、日本人の空間信仰につながる。そして素直に生まれ変わりを信じる。死して見えざる存在になろうとも消失は光を生み出して可能性の奔流へと還っていく。
全てを見通そうとするパースペクティブに対し見通せない不透明さに生命の神秘性を託し想像することに感性を拓く。それを半透明のフェイティソと呼んでいる。それは呪物であり護符であったりする。絵画論という点でも。ファン・エイク兄弟が油絵具を開発する以前の古典絵画として、フレスコ画、テンペラ画、そしてエンカウスティック画(蜜蝋画)があった。この3つの技法は、西洋美術の絵画を学んだ人たちにとっては馴染み深いものと思われる。蜜蝋画の歴史は古く、古代エジプトやギリシャで慣習的に描かれており、ミイラの肖像画は木の板に描かれていた美術史上最古の絵画形式である。蜜蝋画は約2000年以上の
保存期間を経ても劣化が少なく自然素材で作られた絵画の中で最も堅牢性があると言える。蜜蝋画は考古学、そして宗教史と密接に関わる素材でもある。が、そのために美術史において蜜蝋画の存在感は薄い。しかし、蜜蝋画は西洋だけでなく東洋にも存在した中庸な芸術形式であり、生物学やまた気候変動などの環境課題の視点からも学際的に観察できる現代的な絵画形式であると言える。蜜蝋画は私たちの身体に寄り添う永遠なるオブジェクトである。知性がバーチャルになり、肉体が置き去りにされたとしても、融点まで私たちと共にある物体であることに変わりはない。銀河から降りてきて寄せ集めて作ったようなもの。私たちが生きている繊細な振幅をもっと賛美したいと思える。 DANGAMI