2023年 8/1 放送

1990年 大阪生まれ


東京藝術大学大学院 美術研究科博士後期課程 修了
清華大学(北京)交換留学
東京藝術大学大学院 美術研究科修士課程 修了
桑沢デザイン研究所デザイン専攻科 卒業

展覧会
2022 PRIVATE HOUSE 生きられた家(練馬の日本家屋、東京)
2021 孤帆の遠影(MONTBLANC銀座本店, 東京)
2020 DenchuLab.2019(旧平櫛田中邸アトリエ, 東京)
受賞歴
2023 「SICF24」 EXHIBITION部門 スパイラル奨励賞
2022 野村美術賞
2020 NONIO ART WAVE AWARD グラフィック・イラストレーション部門 グランプリ
2018 サロン・ド・プランタン賞

<展覧会名>Solo Exihibition 
<会期期間>2023年9月16日〜10月1日
<開催場所>Bohemian’s Guild CAGE(東京千代田区)

従来の文字組みにおける順序に基づいた統語的・論理的な制約から、同時的・直接的に受容する世界へと言葉を解放し、新たな詩を発生させることをを目指している。
作品《ki/u》では、「キ」と「ウ」という音節に基づく漢字を無数に配置することで雨が降る様を描いた。雨乞いを意味する「祈雨(キウ)」という言葉の音節を起点とし、「気宇」「喜雨」「樹雨」「鬼雨」「雨期」「雨季」などの既存の言葉に接続させながら、さらなる派生によって最終的に50種ほどの漢字を選択している。
アーネスト・フェノロサが漢字を「思想絵画(thought-picture)」と呼んだように、長い歴史なかで文字体系を合理化せず複雑化させてきた漢字には、自然や人の姿、ものや情感が形に含まれている。線行から解放された漢字は作品のなかで同時的に存在しており、同一平面上にある全ての漢字と接続する可能性をもつ。鑑賞者の視線のなかで漢字同士が縁によって出会うことで、あらゆるインスピレーションが生まれる。漢字の形態、音節、意味が相互的に作用し絡み合い、祈りのイメージを介しながら漢字同士が共鳴する場として作品を提示する。(大谷)