2025年 3/4 放送

1987年 大阪府生まれ

水墨画教室 漂墨 主宰
円山四条派に連なる水墨画を学び、「調墨法」や「付立法」といった古典的な水墨画の技法を基軸としながら
も、様々な技法を取り入れた現代の墨画表現を行う《現墨画家》。
「中道」をテーマに制作を続け、水墨画の持つ「水と火(墨)の芸術」という両極性を「中道」を表現する手段と
して引用し、《対極の繋がりとその関係性の可視化》を探求する。
古典的な水墨画技法に囚われず様々な技法を組み合わせることで、異なる時代背景や社会的価値観を重ね合わ
せ、鑑賞者が現代社会の多様な問題に対して多元的な視点を得ることを目的としている。
幼少期に報道カメラマンであった父から海外の撮影現場での話を聞く機会が多く、政治的な視点(ナショ ナリズ
ム)と旅への興味が芽生える。
その影響でバックパッカーとして海外を放浪し、水墨画を描きながら世界を巡った経験「INKING YUGYO/現墨
遊行」が、現在の作品制作に大きな影響を与えている。


【展示】
2024年
《different Kyomachibori art fair 2024》
《水墨画 土屋一門 合同社中展》
2023年
《福岡PARCO 企画展 パルコ遊涼み ~現代アーティストコラボ提灯展~》
《水墨画 土屋一門 合同社中展》
2022年
《L' ESSENTIAL ~From a seed to essence through art》
《水墨画 土屋一門 合同社中展》
2021年
《El romanticismo》
《水墨画会 墨閃会 社中展》

【受賞歴】
2024年
《different Kyomachibori art fair 2024》
chignitta 谷口純弘賞
BY THEREE 吉田貴紀賞
roid works gallery 井浦歳和賞

制作のベースにあるのは、禅の教えにある「中道」という考え方で、偏りや極端を避けた物事の捉え方です。
自分の中でしっくりきてる言葉があって、バックパッカーのカルチャーに「SAME SAME BUT DIFFERENT」と
いう言葉があるのですが、これは東南アジアの露天商でよくTシャツのデザインに使われている言葉で、「一緒
一緒、違うけど」という考え方が持つゆるさというか、心の余白みたいなものが、禅の哲学に通じているなと思
っていて。
これってつまりは“ワンネス”で、自分が伝えたいことってこういうことだよなって思っています。
世の中って色々と曖昧で、わかりやすく0か100かの世界じゃなく複雑なグラデーションで出来ているし、見る角
度によって見え方はいくらでも変わるけど、それを理解して多元的な物事の捉え方を実践出来る人って意外と少
ないと思っていて、
この感覚を少しでも多くの人に気づいてもらえる事が、大袈裟な言い方をすると世界を今より少し平和にすると
確信していて、そんな思いを作品に込めていたりします。(千道)