2026年 1/27 放送

野島渓

1993年 東京生まれ
最終学歴 東京造形大学大学院造形学部デザイン研究領域卒業

2016年   東京造形大学『ZOKEI賞』受賞
2016年 第15回グラフィック「1_WALL」』審査員奨励賞 室賀清徳選 受賞
2018年 表参道Rocket 個展「Jam」開催
2019年 WISH LESS 個展「Over and over」開催
2023年 HYSTERIC GLAMOURとのコラボレーション展示「BLIND KILL」開催
2024年 Plus81 Gallery Tokyo 個展「NU JAZZ Remix 」 開催


コラージュを中心に作品を制作している。異なるイメージを重ね合わせて生まれるズレやリズムを視覚的なグルーヴとして表現し、音を可視化することをテーマに制作を行う。
主な活動に、LUMINEショーウィンドウへのアートワーク提供、HYSTERIC GLAMOUR渋谷店での個展「BLIND KILL」、BEAMSへの作品提供、MIYAVIのNFTアート制作としてPERIMETORONへのアートワーク提供などがある。


コラージュによって異なるイメージ同士がぶつかることで、シュールレアリスム的なイメージの痙攣が生まれる。この痙攣によるゆらぎやグルーヴ感をさらに高めるために、一度紙の素材をグシャグシャに歪め、FRPで固めるプロセスを取り入れる。こうして平面だった素材が半立体化し、それを重ね合わせながらコラージュすることで、歪んだ紙の素材が重なり合い、半立体の隙間から見えるイメージは、見る角度によって変化する。その結果、視覚的なリズムが複雑化し、多層的な体験となり、音の重なりや揺らぎを視覚化した。
このアイデアの背景には、高校生の時に観たハービー・ハンコックのライブ映像があり、映像の中では、バックのDJの足元にスクラッチによる針との摩耗で使えなくなったレコードを、自分で折り曲げ下に投げ捨てることで歪んだレコードが散乱し堆積していた。この光景は「破壊と再生による音楽の飛躍」のイメージにつながっている。この作品の重要なモチーフでもある。


最近、コラージュと、自分の持病でもあるてんかんが、関係していると思うようになった。そのきっかけとして、てんかんの症状の一つでもある痙攣は、シュルレアリスムの中心人物だった、アンドレ•ブルトンはナジャの最後の一文に「美は痙攣的なものだろう、さもなくば存在しないだろう」と書いていた。そのため今まで意識していなかった、てんかんとコラージュを繋げて考えるようになった。
私の複雑部分発作時の記憶は、意識のフィルターを通らず白昼夢のような映像として記憶に残る。この記憶は発作時に、私の他の記憶と結びつく。繋がってもいない道同士が勝手に繋がり、ありもしないマップが頭の中に立ち上がる。ありもしないマップが立ち上がる構造は、まるでコラージュと同じ構造をしている。イメージの断片と断片が組み合わさることで、勝手にイメージが繋がり新しいイメージを立ち上げる。
また、街の人工的な光刺激はてんかんの発作のトリガーになりうる。発作時に光刺激は魅力的なものへと変わり、私は走光性を持った動物のように光を目で追いかけてしまう。ギラギラとしたネオンの光などの素材は、私がコラージュの素材としてよく使うものでもある。
他にも複雑部分発作時の記憶は、ループしながら保存される時もある。ループされた記憶は、一定のリズムで繰り返されるgif画像のようで、このループはリズムとして作品に組み込まれている。
コラージュは閃光的な地図の立ち上がりをする。そのためFlash Mapとでも呼ぼうと思う。
• 複雑部分発作は、てんかんの一種で、意識が失われ、全身のけいれんが起こらない発作です。ボーっとして立ち尽くしたり、手や口をモゾモゾ動かしたりする(自動症)といった症状が特徴です。