2025年 1/14 放送

ジェフ・クーンズ(Jeff Koons, 1955年1月21日 - )は、アメリカ合衆国の美術家。キッチュなイメージを使った(多くは大規模の)絵画・彫刻作品などで知られる。

ジェフ・クーンズは、ペンシルベニア州ヨークで生まれた。10代の頃はサルバドール・ダリを崇拝し、ニューヨークのセント・レジス・ホテルまでダリに会いに行ったほどだった。シカゴ美術館附属美術大学およびメリーランド・インスティテュート・カレッジ・オブ・アート(en:Maryland Institute College of Art)に進み、絵画を学んだ。卒業後は、ウォールストリートの商品仲買人をやり、1980年代に美術家として認められると、ニューヨークのハウストン通りとブロードウェイの交差点に位置するソーホー・ロフトにファクトリー風のスタジオを持った。そこでは30人のスタッフがクーンズの複数の作品のそれぞれの制作に割り当てられた。これはアンディ・ウォーホルのファクトリーがやったことに似ていた。

クーンズの初期の作品は抽象彫刻の形式を取り、その中で最も知られているものは1985年の『スリー・ボール・50/50・タンク(Three Ball 50/50 Tank)』[1]で、これは半分までホルムアルデヒドを満たしたガラス張りの水槽の中に3つのバスケット・ボールを浮かべたものである。

クーンズは、公的ペルソナ、つまり世間から見たジェフ・クーンズ像を深めるのに、イメージ・コンサルタントを雇った。当時の現代美術家たちにとっては、聞いたこともないやり方だった。具体的には、主だった国際的な美術誌に作品に囲まれた自分の写真を全面広告として掲載した。紹介記事やインタビューでは自分のことを三人称で語った。

1986年、ウサギのおもちゃを巨大にしたステンレス鋼製の『スタチュアリー(Statuary)』[2]を制作し、それから『バナリティ(Banality)』シリーズ[3]を1988年まで続けた。その1つ『マイケル・ジャクソン・アンド・バブルス(Michael Jackson and Bubbles)』(1988年)は、ペットのチンパンジーのバブルスを抱いている歌手マイケル・ジャクソンの、金粉を施した等身大の座像で、世界最大の陶器と公表された。3つ作られた内の一つが、3年後にニューヨークのサザビーズでロット・ナンバー7655として競りにかけられ、約560万ドルで落札された。それはこれまででクーンズの作品についた最高値の3倍の値段だった。